KNU ダイエット 食材データベース
第4群
調味料類

Vinegar
食材百科事典

食酢の主成分、酢酸には殺菌作用があるため、食中毒の予防にも有効。
クエン酸はカルシウムの吸収を促す作用があり、魚の南蛮漬けなどとしての利用の工夫を。
また、細胞の代謝機能を活性化する働きがあり、疲労回復にも効果があるので
日常の食事に多く活用したい。

《製法》 原料となる穀物や果実をアルコール発酵させ、種酢と呼ばれる酢酸菌により酢酸発酵をさせる。

《歴史・世界》 酢は、フランス語でvinaigre。vin(ワイン)とaigre(酸っぱい)からなることからワインが酢酸菌によって酸っぱくなったことから。酒づくりと関係が深く、その土地の酒の原料に近い酢が作られた。3000年まえに酢が使われた記録がある。

《歴史・日本》 現在でも日常的な調味料として使われている米酢は、紀元5世紀頃に中国から伝えられたとされる。稲作文化が中心であった日本では、古くから作られていたようだ。平安時代中期の『延喜式』にすでに記録がみられる。
《名前の由来》日本では、酸っぱい(すい)という意味で「す」と呼ばれるようになった。
《食酢の種類》
JAS規格(日本農林規格)では、食酢は「醸造酢」と、酢酸に糖類・化学調味料を加えた「合成酢」に大別される。醸造酢は穀物酢と果実酢に分けられる。
穀物酢(grain vinegar):原料に穀類を使用した醸造酢。JAS規格では穀物の使用量が1ℓにつき40g以上のものとされる。原料穀物が一種類のものは米酢、玄米酢などと表示できる。
果実酢(fruit vinegar):原料に果汁・果実酒を利用した醸造酢。JAS規格では、果実の搾汁の量は1ℓ中300g以上とされる。
〔穀物酢〕
米酢(コメズ、ヨネズ・rice vinegar)うるち米(1ℓ中40g以上)と米麹を原料とした醸造酢。蒸したうるち米に米麹を加えてでんぷんを糖化後、酵母を加えてアルコール発酵させたのち、酢酸菌を添加して酢酸発酵させ、2~3ヵ月熟成させる。糖分、アミノ酸、エキス分が多くまろやかなコクがある。
玄米酢:精白していない米から作る醸造酢。長期熟成したものは色が濃く、まろやか。
かす酢(粕酢・Kasu-zu):酒かすを原料とした醸造酢。酒かすを再発酵させた色の濃いものは江戸前寿司の赤しゃりに使われることで有名。
クロズ(黒酢・black vinegar):玄米(うるち米、もち米)、玄麦(小麦、大麦)、麹を原料とする。発祥は中国。日本には江戸時代後期の文化年間に伝わり、今の鹿児島県で製造されるようになったとされる。現在でも、主産地は鹿児島県。中国式の大きな壺を使い、機械を使わずすべて人の手で作業をしている。疲労回復に効果のあるクエン酸を多く含むので、健康志向の飲料としても有効。

香醋(こうず):中国の黒酢。コウリャンや大麦などから作る「山西(さんせい)香醋」、もち米が原料で地下水にこだわった「鎮江(ちんこう)恒順(こうじゅん)香醋」などいくつか有名なものがある。
もろみ酢:泡盛を精製したあとの残り汁から作る沖縄の天然発酵の醸造酢。泡盛のもろみに含まれる黒麹菌がクエン酸を生む。
モルトビネガー(麦芽酢・malt vinegar):大麦や小麦やトウモロコシが原料の醸造酢。麦芽の酵素で糖化し、アルコール発酵させたのち酢酸発酵させて作る。ドイツやイギリス、アメリカなどで使われる。ビールに似た芳香が特徴。
〔果実酢〕
リンゴ酢(アップルビネガー・cider vinegar/apple vinegar):リンゴを原料とした醸造酢。
まろやかな酸味とリンゴの甘酸っぱい香りが特徴。
ブドウ酢(ワインビネガー・wine vinegar):ブドウ果汁をアルコール発酵させたうえに酢酸発酵させたもの。ワインのような芳香がある。赤と白がある。フランス原産。
バルサミコ酢(balsamic vinegar):北イタリア・モデナとレッジョ・エミリア地方のブドウ酢。ブドウの搾り汁を長期間熟成させる。酸味や強くなく、独特のまろやかな甘味をもち、香もよい。balsamico(イタリア語)は、すばらしい香りの意。原材料にブドウを使っているため、抗酸化作用の強いポリフェノールを多く含み、ガン予防や老化防止に効果が期待される。モデナとレッジョ・エミリア産は1987年にD.O.P.(イタリアの原産地呼称統制法)認定。
《期待される働き》
●疲労回復

《機能成分》
クエン酸
 →疲労物質・乳酸を分解し、疲労回復を促進。有害物質の体内への蓄積を防ぐ。血行を促進し、肩こり・神経痛を改善。

《選び方》
酸味の強いものからまろやかなものまであり、料理・目的にあうものを選らぶ。

《保存方法》
蓋をきちんし、日光の当たらない所で保存。

《調理のコツ》
酢は酸味だけではなく、旨味も強い調味料。調理上多用な活用方法がある。
●フレンチドレッシング:植物油の油っこさを和らげる。
●煮物の隠し味:煮物に酸味を感じない程度、少量加えると旨味が増す。
●天ぷら:衣の小麦粉1/2カップに酢小さじ1の割合で混ぜるると、カラッとした衣天ぷらに。
●ご飯の防腐防止:少量の酢を入れてご飯を炊くと、夏でもすえにくい。
●まな板の殺菌:酢に浸した布巾でまな板を拭く。

《レシピ》 *女子栄養大学HP『栄養と料理アーカイブス』からご覧いただけます。
●【酢の物】大根と人参の酢の物:『栄養と料理』昭和63年1.月号 P.147
●【サラダ】韓国風サラダ、小松菜の漬物風サラダ:『栄養と料理』昭和63年1.月号 P.147
●【酢づけ】野菜の酢漬け、鶏ささ身と野菜の酢漬けのいため物:『栄養と料理』昭和62年11月号 P.21

●【甘い酢あんかけ】サバの甘酢あんかけ、鶏肉のカレー甘酢あんかけ:『栄養と料理』昭和61年11月号 P.140
●【合わせ酢】三杯酢、甘酢、酢みそ、白酢、黄身酢:『栄養と料理』昭和61年7月号 P.37
●酢豚:『栄養と料理』昭和60年12月号 P.7
●イワシの酢煮:『栄養と料理』昭和60年4月号 P.33
1点重量
(g)
エネルギー(kcal/100g) 炭水化物
(g/100g)
カリウム
(mg/100g)
カルシウム
(mg/100g)
ビタミンB1
(mg/100g)
ビタミンB2
(mg/100g)
米酢 170 46 7.4 16 2 0.01 0.01
穀物酢 320 25 2.4 4 2 0.01 0.01
ぶどう酢 360 22 1.2 22 3 Tr Tr
りんご酢 310 26 2.4 59 4 0 0.01
◇ 関連ページ ◇
◆ 四群点数法 STEP 1・食品群を知る:TOP第4群
◆ 四群点数法 STEP 2・1点(80kcal)重量:TOP第4群
◆ 四群点数法 STEP 3・1日20点(1600kcal):TOP
◆ 食材データベース(食品群・旬・科名別):TOP第1群第2群第3群第4群香辛料/ハーブ

◆ 食材玉手箱:酢の話オリゴ糖の話オリゴ糖
◆ こぼれ話:「日本料理のフードシステム」(第17話)

五明紀春・女子栄養大学教授
編集協力:足立尚子・女子栄養大学生涯学習講師
Revised Mar/2010
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